
2015年にNTT東西が光回線の設備を他社に開放して始まった光コラボレーションモデル。
既に400社以上の企業が参入し、様々な独自ブランドの光回線を提供しています。
その中で、“最安値”の料金で光回線を提供しているのがenひかりです。このサービス、悪いサービスではないのですが、正直あまりお勧めしません。
お勧めしない3つの理由を解説していきます。

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目次
光回線の最安値 enひかりのサービス内容は?料金は?
まず先にenひかりとは一体どんなサービスなのか、簡単に説明していきたいと思います。
enひかりの速度や料金は下記の通り。
- 速度=最大1Gbps(NTTの設備を利用している為フレッツ光と全く同じ)
- 月額料金=戸建て4,300円、マンション3,300円
速度は他の光コラボレーションモデルであるドコモ光やソフトバンク光などと同じですが、なんといっても月額料金が安いのが特徴。
ドコモ光だと月額料金が戸建てが5,200円、マンションが4,000円。ソフトバンク光だと戸建てが5,200円、マンションが3,800円ですから、enひかりの戸建てが4,300円、マンションが3,300円という月額料金はかなり安く見えます。
また、契約期間や違約金を定めている光回線が多い中、enひかりは最低利用期間や契約期間のないシンプルな料金設定となっています。
いつ解約しても違約金は発生しないというユーザにとってはありがたい契約内容です。

また、フレッツ光で利用できる光電話やフレッツテレビといった主要なサービスはenひかりでも利用可能です。これらのオプションサービスが使えなくて困るといったこともないでしょう。

速度も最大1Gbpsと高速で料金も安いと、一見すると良さげなサービスに見えるenひかりですが、お勧めできない理由を3つこれから解説していきます。
お勧めしない理由① セット割が一切ない為、実は安くない
大手の光回線だと、今は光回線を利用すると何らかのサービスが同時に安くなる“セット割”を提供しているのが当たり前になっています。
- ドコモ・au・ソフトバンクの携帯電話料金のセット割引
- 格安SIMの携帯電話料金のセット割引
~ドコモ光やauひかり・ソフトバンク光等の光回線を利用することで大きな割引が発生します。特に家族で利用している場合は毎月3,000円以上の割引が発生することも多いです。
~OCN光や@nifty光など、SIM提供会社の光回線を利用することで少額のセット割が発生します。割引額としては大体500円~1,000円程度。
enひかりにはこういったセット割引が一切ありません。
光回線の料金を“インターネット料金-セット割の割引料金”で計算すると、実はenひかりはほとんどの方にとって最安値にはなりません。
enひかりと主要な大手光回線を『セット割』を無視して月額料金のみ比較をしたのが下記の表です。
料金 | 戸建て | マンション |
---|---|---|
enひかり | 4,300円 | 3,300円 |
ドコモ光 ※ドコモ携帯割引あり | 5,200円 | 4,000円 |
auひかり ※auスマートバリュー対応 | 4,900円 | 4,100円 |
ソフトバンク光 ※ソフトバンクおうち割に対応 | 5,200円 | 3,800円 |
enひかりには光回線を利用することで別のサービスが安くなるセット割引は一切ありませんが、ドコモ光やauひかり・ソフトバンク光には携帯電話料金のセット割引が別に発生します。
- ⇒ドコモ光はドコモの携帯電話料金が個人だと月平均1,000円安くなり、家族だと月平均3,000円安くなります。
- ⇒auひかりは、auの携帯電話1台あたり月平均1,000円×家族で利用している台数分の割引が入ります。
- ⇒ソフトバンク光は、ソフトバンクの携帯電話1台あたり月平均1,000円×家族で利用している台数分の割引が入ります。
これらの割引を含めて“インターネット料金-セット割の割引料金”で実質の光回線の料金を計算すると、セット割がないenひかりのほうが逆に高くなってしまう場合がほとんどです。
例えば3人家族で同一の携帯電話を利用していると仮定した場合、『セット割』も含めてenひかりとドコモ光・auひかり・ソフトバンク光の料金を比較するとこうなります。
料金 | 戸建て | マンション |
---|---|---|
enひかり | 4,300円 | 3,300円 |
ドコモ光 ※ドコモ携帯割引あり | 5,200円 -3,000円(携帯料金割引) =2,200円 | 4,000円 -3,000円(携帯料金割引) =1,000円 |
auひかり ※auスマートバリュー対応 | 4,900円 -3,000円(携帯料金割引) =1,900円 | 4,100円 -3,000円(携帯料金割引) =1,100円 |
ソフトバンク光 ※ソフトバンクおうち割に対応 | 5,200円 -3,000円(携帯料金割引) =2,200円 | 3,800円 -3,000円(携帯料金割引) =800円 |
これはあくまで家族3人で同じ携帯電話を利用して場合の料金例ですが、特に家族で携帯電話を複数台利用している場合には、何のセット割も提供していないenひかりが一番高い料金になることがわかります。
一人暮らしなど個人で1台携帯電話を利用している場合にも、携帯電話料金割引を考慮するとenひかりよりもドコモ光・auひかり・ソフトバンク光にしたほうが安くなる場合が多いです。
enひかりは月額料金が光回線の中で最安値なのが売りですが、実際は『セット割』の部分を考慮すると他の光回線よりも安くならない場合がほとんどです。

お勧めしない理由② キャンペーンを行っていない
ドコモ光やauひかり・ソフトバンク光といった主要な光回線や、それ以外の大手の光回線に関しては何かしらの新規加入キャンペーンを行っている場合がほとんどです。
enひかりは月額料金を非常に安く抑えている為、その分各社が行っているキャッシュバックや月額料金の長期割引といったキャンペーンは基本的に行っていません。
月額料金が安くてもキャッシュバック等のキャンペーンが適用されないので、その分を損してしまうことになります。

お勧めしない理由③ 運営会社の従業員数がたった16人。かなり小さな会社が提供している
ここまでenひかりをお勧めできない理由として、セット割引が一切ないことやキャンペーンを行っていない点をあげてきましたが、それ以上にenひかりをお勧めできない最大の理由があります。
それは、サービスを提供している会社の規模があまりにも小さすぎること。
enひかりを提供している会社の概要は下記の通り。
従業員数がたったの16人と、現段階ではかなり小さな規模の会社です。
会社のホームぺージのアクセスマップ(航空写真)を見ても、会社が入っているのはかなり古い雑居ビルの一室で、正直「この会社規模で光回線のサービスを提供しても大丈夫なの?」と躊躇してしまうレベル。
こんなことを言うと、「会社の規模が小さいというだけで悪いサービスになってしまうのか?」と炎上してしまいそうですが、光回線のサービスはある程度長く利用される場合が多いと思います。
それを考えた時にこの会社規模だと常にリスクがつきまとってきます。
- サービス終了のリスク
- 大きなトラブルがあった時に対応できるのかどうかというリスク
これだけ小さな会社だと上記2つのリスクは常につきまとってくると考えておいたほうが無難です。
enひかりは確かに月額料金が戸建てだと月4,300円、マンションだと月3,300円と光回線の最安値ですが、同じような料金や仕組みで光回線を提供している老舗の会社もあります。
- エキサイト光の月額料金=戸建て4,360円、マンション=3,360円
- エキサイト光の違約金=発生しない
- エキサイト光のセット割引=enひかりと同様、何もありません
- エキサイト光のキャンペーン=enひかりと同様、行っていません
- 老舗の大手プロバイダBBエキサイトが提供
~enひかりが戸建てで4,300円、マンションで3,300円ですから、毎月60円高くなります。
~enひかりと同様、最低利用期間や契約期間がない為、解約しても違約金は発生しません。
~enひかりと違うのは、老舗の大手プロバイダBBエキサイトが提供しているという点。会社規模も段違いで大きい会社です。
こちらもenひかりと同様、携帯電話料金割引などのセット割は一切ありません。
ただし、enひかりと比べれば、月額料金や違約金等の仕組みはほとんど同じですが会社の規模が段違いに異なります。
その為、サービス提供終了のリスクや大きなトラブルがあった時の対応能力という点を考えれば、長く利用する場合enひかりとは比べものにならない安心感があると思います。
月額料金がenひかりよりも60円高くなりますが、高くなるとは言っても月100円以内です。
enひかりを検討されている方はエキサイト光も検討してみることをお勧めします。
- 契約事務手数料が無料
- 新規工事費が無料
- 月額料金割引=戸建ては8,640円円の割引、集合住宅は8,340円の割引
- 業界最安水準の月額料金で最大1Gbpsの光回線が利用できる!
【補足】レンタルDVD大手のツタヤが提供している『TSUTAYA光』がサービス提供終了。これから人気のない光コラボは続々と提供終了になる方向性
enひかりのように小さな会社ではありませんが、同じ光コラボでレンタルDVD大手のツタヤが提供しているTSUTAYA光(ツタヤ光)というサービスが、2018年11月をもってサービスの提供を終了しました。
光コラボに参入してわずか数年ですが、加入者数が伸びなかったのが原因のようです。
光コラボに参入している企業の数が、たった数年で500社以上にも登り様々なサービスが乱立している状況の為、ツタヤ光のように人気のない光コラボはこれからどんどん淘汰されてサービスが提供終了の方向に向かうのは間違いありません。
というのも、光コラボはNTT東西が儲かる仕組みになっており、参入企業が儲かる仕組みにはあまりなっていないからです。
サービスが提供終了になった場合、違う光回線に乗り換えるにしても違約金などの費用がかかる場合が多いなど、ユーザーにとって不安な要素が満載の状態です。
その為、長く光回線を利用するのであれば、ある程度 名前が売れている光回線や加入者数の多い光回線から選ぶことをお勧めします。
その点も踏まえてenひかりはあまりお勧めしません。

- ドコモ携帯料金の割引あり!
- au携帯料金の割引あり!
- ソフトバンク携帯料金の割引あり!
- 光回線が使えない方向け!